グレタさんの演説に批判し、日本はまた遅れる

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国連気候アクション・サミット2019(9月23日ニューヨーク開催)で、スウェーデンの16歳であるグレタ・トゥーンベリさんが地球温暖化対策としてCO2削減に関する演説をしました
この時のグレタさんのスピーチが感情的であったこともあり、日本でも批判者が多い状態が続いています。

しかし、グレタさんを批判することは正しいのでしょうか?
今回はグレタさんの主張やその批判について考察しました。

グレタさんの主張は正しいのか?

グレタさんの主な主張は、温室効果ガスであるとされる二酸化炭素の削減のために解決策や計画を考えるべきであるということです。さて、その内容は正しいのでしょうか。

二酸化炭素を削減すべきというグレタさんの演説は、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change))の1.5℃特別報告書に基づきます。

地球温暖化を1.5°Cに抑制することは不可能ではない。しかし、社会のあらゆる側面において前例のない移行が必要である。
CO2排出量が2030年までに45%削減され、2050年頃には正味ゼロに達する必要がある。メタンなどのCO2以外の排出量も大幅に削減される必要がある。
引用元:環境省/IPCC1.5℃特別報告書/1.5°C特別報告書の主なポイント(PDF)

上記、環境省によるIPCC1.5℃特別報告書の概要(PDF)では、知識ギャップ(知見不足や見解の不一致等)についても論じられています。
つまり、各界の専門家間でも諸説ありますが、「現在の見解としてはこれが正しい」と言えます

二酸化炭素の増加は地球温暖化の原因であるのかという議論をし始める人たち

グレタさんの主張を受け、「そもそも二酸化炭素の増加は地球温暖化の原因なのか?(正しいのか?)」という議論をし始め、グレタさんを批判する人もいます。

科学は絶対ではないため、二酸化炭素の増加は地球温暖化の原因になっているともなっていないとも100%言い切れないでしょう。

しかし、前述の1.5℃特別報告書の是非に関する議論や、二酸化炭素が地球温暖化の原因ではないという議論をするのであれば、それはグレタさんではなく、専門家に反論すべきです。

日本は環境問題に遅れている

日本では国民がつまらない議論をしていることもあり、今回の件で日本政府としてはCO2削減の宣言をせず、出遅れています。

金融機関や企業が動けば、当然、各国政府も動く。今回のサミットでは、2050年までにCO2排出量をゼロにすることを自主的に宣言した企業は65ヶ国にのぼる
引用元:グレタさん演説のウラで、日本メディアが報じない「ヤバすぎる現実」

日本で環境問題について考えることは、中国のPM2.5による大気汚染にも関心を持つきっかけにもなると思います。
これを機に思い出した人もいるのではないでしょうか。
中国の冬季のスモッグ対策、目標値低く大気汚染悪化か(ロイター)

また、グレタさんは以下のように演説しています。
これは中国のPM2.5による大気汚染にも同じことが言えると考えられます。

人間のコントロールを超えた、決して後戻りのできない連鎖反応が始まるリスクがあります。50%という数字は、あなた方にとっては受け入れられるものなのかもしれません。

しかし、この数字は、(気候変動が急激に進む転換点を意味する)「ティッピング・ポイント」や、変化が変化を呼ぶ相乗効果、有毒な大気汚染に隠されたさらなる温暖化、そして公平性や「気候正義」という側面が含まれていません。この数字は、私たちの世代が、何千億トンもの二酸化炭素を今は存在すらしない技術で吸収することをあてにしているのです。
引用元:グレタさん演説全文(NHK)

全て人間が予測できるわけではないので、予想だにしない事態になることもあり得ます。

グレタさんの揚げ足取りをする人々

グレタ・トゥーンベリさん「怒りのスピーチ」を批判するすべての人へ/グレタさんを批判する人々では、グレタさんを揚げ足取りとも言える批判をする人々を取り上げています。

揚げ足取りの1つとして、グレタさんが裕福であることを批判する人は少なくありません。
なぜ裕福なら問題解決に関わってはいけないのでしょうか

貧困問題について論じるためには貧困でなければいけないのでしょうか?
医療従事者は病人でなければいけないのでしょうか?
実に馬鹿馬鹿しい議論です。

また、グレタさんは、スペインでの国連気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)参加のために、温室効果ガスの排出が多い飛行機利用での避けようと「11月に大西洋を渡る方法を探さないといけない。誰かその方法を見つける手助けをしてくれるとうれしいです」と発言しました。
グレタさん移動に救いの手 COP25開催地変更でスペイン政府

これに対してもパフォーマンスだとか余計にCO2を排出しているとか批判する人がいます。

仮に飛行機を利用すれば飛行機を利用したことについて批判する人がいるでしょう
というより、移動手段を批判した人が過去にいて、このような発言になった可能性もあります。

グレタさんはギフテッドの可能性が高い

天才児とも言われるギフテッドは、「同じ年齢の子供に比べて高い能力がある」と定義されます。
(詳しくは天才児とも言われるギフテッドってどんな人?解説と支援するべき理由
グレタさんを馬鹿にするような発言をする人もいますが、主張が正しいかどうかはさておき、訴求力や行動力だけを見ても十分に能力が高いと言えるでしょう。

大人が本気で議論をすること自体はとても良いことだと思います。
これをきっかけに色々調べて議論すること自体が大切なのです。

しかし、議論とは関係のないことで批判するのは大人として間違っているのではないでしょうか。
グレタさんはまだ子供ですから、当然至らない点もあるでしょう。
批判している大人たちは、グレタさんと同じ年齢の頃、完璧に行動することができたのでしょうか。
そればかりか、大人であっても誰からも批判されずに行動することは難しいでしょう。

知的な馬鹿は、物事を複雑にする傾向がある

知的な馬鹿は、物事を複雑にする傾向があります。
それとは反対の方向に進むためには、少しの才能と多くの勇気が必要です。

これはアルベルト・アインシュタインの名言の1つです。

複雑な問題をIPCC1.5℃特別報告書の概要(PDF)という形でまとめた内容に対して、またはグレタさんの演説に対して、国民として重箱の隅をつつく議論はやめてシンプルに考えたらよいと思います。

最後に

建設的な意見を言うのはとても良いことです。
何はともあれ、善意でやっていることを素直に褒められる人が増えてほしいです。