【設立者・幸田氏に聞いた】高IQ者認定支援機構の活動とIQテスト

2019年10月6日

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2020年6月15日追記
以下の情報は機構設立直後の情報です。アーカイブとして公開しておきます。
最新の情報は各自で情報収集をして判断してください。
なお、ブログ著者は機構の構成員ではありませんし、金銭の授受は一切なく、インタビュー内容を除く記事の内容は個人の見解によるものです。公開当初は、未定の内容・不透明な部分もあり、趣旨に賛同していましたが、現在の方向性については特に支持していません。当方は最近の動向を完全には把握していませんので、把握した上で意見がありましたら追記します。
(追記ここまで)

2019年4月、各界の大物が集結して一般財団法人高IQ者認定支援機構が設立されました。ソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)元副社長の松本徹三氏を中心に、ブログ著者も所属する高IQ団体METIQの代表、幸田直樹氏も関与しているとのことです。

文字通り高IQ者を認定するようですが、そのIQテストや活動どういったものなのか、今回は幸田直樹氏ご本人にお聞きした情報も含めて解説していきます。

高IQ者認定支援機構の事業の目的

高IQ者認定支援機構は、事業の目的を以下のように公表しています。

「特別な適性を持つ人材」を発掘し、これらの人材が社会で活躍する道筋をつくることを目的として一般財団法人高IQ者認定支援機構を2019年4月1日に設立しました。

この目的の達成のため、以下の事業を行うことを定款に定めています。
 (1)    特別な適性を持つ人材の発掘及び育成(IQ検査〔CAMS〕による認定)
 (2)    企業・研究機関等における特別な適正を持つ人材の活用推進
 (3)    これらを達成するための社会環境の整備
 (4)    その他この法人の目的を達成するために必要な事業

引用元:高IQ者認定支援機構/機構設立の目的と使命

要約すると、IQテストの結果を使用して高IQ者を認定し、特別な適性を持つ人材の活用するための社会環境の整備を含めた活動をしますよ、ということです。

​高IQ者認定支援機構設立の趣旨

また、代表理事による高IQ者認定支援機構設立の趣旨は以下となっています。(一部抜粋)。

昨今の世界の科学技術開発の流れの中では、「高度なソフトウェア開発」就中「AI(人工知能)関連」の比重が極めて大きくなっておりますが、日本はこの分野で他国に大きく遅れを取っている様に感じられます。この分野では、日本が得意とする「要素技術の緻密な組み合わせと改善の蓄積」よりも「特異な頭脳をもった一個人の飛躍した発想」がより大きい貢献をするという事実が、この背景にあるのではないかと思われます。

社会のあり方次第で、こういう人達がその能力を活かせることが出来るかどうかには大きな差が出ています。欧米諸国では、「ギフテッド教育」の名の下に、こういう人達を発掘して育成する制度が根付いていますし、現在の中国では、こういう人材の発掘と活用が、国家目標に合致するものとして組織的に行われています。これに対し、「集団的に秩序だった行動をする能力」を伝統的に重視してきた日本では、この様な努力が全く行なわれていないかの様な状況です。

IQが突出して高い人逹は、一般社会においてはその特異性が目立ち、周囲にうまく適応できないケースも多く、「苛め」の対象にもなりやすいことから、「登校拒否」、さらには大学への進学を断念せざるを得ないケースもあると思われます。社会に出ても、その稀有の能力が認められず、その能力を活用できないままに、下積みの生活に甘んじていることも多いでしょう。これは、本人にとっても不幸なことですし、社会と国家にとっても大きな損失です。

現在広く語られているIQという指標が、そのまま「頭の良さ」を意味するものとは言えませんが、少なくともある程度の相関性を持っているのは間違いないと思うので、 まずはIQという指標で特段に高い数値を出している人達のデータベースを作り、その中から有為の人材を発見して育成することが、現在の日本が抱えている基本的問題を解決する施策への一つの道筋にはなるではないかと考えています。

引用元:機構設立の趣旨(代表理事からのメッセージ)

なぜ特別な適性を持つ人材の発掘および育成が必要?

「特別な適性を持つ人材」の発掘や育成の必要性について、高IQ者認定支援機構のホームページの内容を参照し、機構としての見解を要約すると、以下のようになります。

  • アメリカや中国は、多額の開発費を投資した1000人の技術者よりも1人の才能が勝ってしまうということに気づき、そういった”1人の才能”を育成しているが、日本ではそのような動きがなく、出遅れている
  • 医療機関で受ける知能検査では、そのような能力を見抜くことができないため、”1000人に勝る1人の才能”を発掘できない
  • ”1000人に勝る1人の才能”を発掘する仕組みを作り、育成するシステムを構築することによって、国家競争力を高めることができる

”1000人に勝る1人の才能”というのは例えで、当然”10000人に勝る1人の才能”も存在するでしょう。
そんな才能があったら、わざわざ発掘なんてしなくても能力を発揮できるんじゃないの?と思う人もいるかもしれません。

しかし、偉人や天才と呼ばれる人は、周囲から何らかの迫害を受けているエピソードがあります。
偉人や天才と呼ばれる人は、才能と努力だけではなく、運にも恵まれています。もちろん運に恵まれず、自らの才能を知ることなく生涯を終えてしまった人もいるでしょう。
そういった才能を迫害される前に発掘し、育成しようという試みです。

偉人は、1人でも欠けたら「未来が変わっていた」「こんな便利な世の中になっていなかった」ということは想像できるかと思います。

日本には、解決すべき問題がたくさんあることはご存知でしょう。
結局、そういった特別な才能を保護することによって、問題も解決することができ、みんながハッピーになれるのです

さらに、日本は少子高齢化に伴い、”1000人に勝る1人の才能”は、よりいっそう貴重になっていきます。

高IQ者認定支援機構の活動内容

高IQ者認定支援機構の活動内容を、高域IQ検査(IQテスト)とそれに伴う研究開発、およびサポート内容についてそれぞれ紹介します。

高IQ者認定のための高域IQ検査の実施

”1000人に勝る1人の才能”のような、『突出して高いIQ』を正確かつ容易に測定することを目的として、高域IQ検査を実施し、高IQ者の認定をするようです。

また、CAMSという「入会資格付与」のある知能検査を受験し、検査結果が上位の場合には、HIQA-Societyという団体に所属することができ、交流や支援を受けることができます。

CAMSという知能検査とは異なりますが、Web上で知能検査を無料で受けることができます。
詳しくはこちら→「Web簡易検査(無料)

高域IQ検査が測定する能力と価値

さて、この高域IQ検査が測ろうとしている能力はどんなものか?
その能力と価値ついて考察したいと思います。
機構は、「測定対象とする能力」を”時間的な圧力の少ない状況で、高い推論能力を発揮する力”とし、「推論能力」を”少ない情報から隠された法則性を見つけ出す能力”と定義しています。

先に言っておきますが、”1000人に勝る1人の才能”を測るための検査は、これが全てではありませんし、機構もそのような見解は公表していません。

ではなぜあえて、この推論能力を測定したいのでしょうか?

それは、ここで測る推論能力が、研究や経営等、何らかの分野で成功する”因子”として重要であるからです。
例えば、一定以上のIQを有している人が入会できる高IQ団体のテストには、MENSAのように独自でテストを用いる場合と、ハイレンジIQテストというテストを受けて入会できる団体があります。時間制限の違いがありますが、どちらも推論能力を測っています。
このような高IQ団体は、明らかに優秀な人の割合が高いです。

機構の代表理事は、時間的圧力のないハイレンジテストでIQ156(sd15)以上のスコアを持つ人が入会できる、高IQ団体METIQに所属する人の優秀さを評価されたのだと思います。
そのため、従来の検査よりも時間的圧力の少ないテストによる成績を用いたかったのだと考えられます。

時間的圧力のないIQ検査は、簡単な問題を素早く解く能力ではなく、「難しい問題能力を時間をかけて解く能力」を測ろうとしています。
もちろん、適材適所ですから簡単な問題を素早く解く能力が問われる場面もあると思います。しかし、これは従来のIQテストで計測が可能です。

1つ以上の分野で極めて高い能力を示す「ギフテッド」は、IQテストで予測可能な能力以外にも、他の因子が重なって、あるいは影響していることでしょうし、一概には言えません。

天才ギフテッドの特徴とは?各団体の見解と一般論まとめでも述べた通り、アメリカのギフティッド教育協会は、『ギフテッドは多様で、全てのギフテッドが全ての特徴を示すわけではないが、多くのギフテッドには共通の特徴がある』としながら、ギフテッドの特徴を述べています。

「推論能力」が高いことも何らかの分野で成功する人に多く見られる『特徴』に過ぎません。

大学入試の結果は、その後の学業成績と必ず相関がありますか?必ず社会で活躍できる能力を測れていますか?資格試験も同様です。資格試験の点数と実務上での能力は必ず相関があるでしょうか。

どんなテストでも必ず例外はあります。

このようなIQテストの正確性に疑念を抱かれる方も一定数いらっしゃるようですが、人間の能力は多種多様すぎるため、いちいち『例外』について議論していては何も始まりません
その例外を判断できるのはギフテッドでなければ難しく、まずは、一刻も早くギフテッドの定義や支援を確立していかなくてはなりません。
例外ではない、典型的なギフテッドは知識のある人であれば(あるいは機械的に)判別可能であり、それはギフテッドではなくても可能と考えられます。

日本ではギフテッドに関する知識が不足しています。それは、一般的な認知どころではなく、教育者や医療従事者であっても不足しており、かつ定義も曖昧です。
例えばアメリカのギフテッドの認定には、IQテスト以外に、特徴を持つかどうか等、『定性評価』である面接が必要とされています。

では現在、日本に『定性評価』や『例外を判断』できる人材は足りているでしょうか。
IQテストのスコアだけを見るというのは、昔のアメリカのやり方ではありますが、アメリカはまず、IQテストのスコアだけを見てギフテッド教育を確立して試行錯誤した結果、『定性評価』を認定基準に取り入れることができています。

日本は今まで、努力・根性論を確立し、”出る杭は打たれる”状態だったのですから、圧倒的に人材が不足しており、昔のアメリカの状態からスタートしなければなりません。

それに『定性評価』に比べて『定量評価』であるIQ検査によるスコアでの判定は効率が良く、「その基準」においては正確です。
(よく理解せず定性評価をすると、当然ミスが起こりますし、組織どころか人によって異なる基準で判断することになるでしょう。)

高域IQ検査の正確性

前述した通り、人間の能力は多種多様であるため、1つのテストで測ることはできません
様々な能力の1つを測ることになることは当然です。

「測定の目的とする能力の1つ」の正確性が論点になります。
では、機構の実施する高域IQ検査の正確性はどうなのでしょうか。

「スコアを出す方法」にはいくつかあり、実際に被験者のデータから、最適な手法を採用することになります。
スコアを算出するにあたっては、データの数や結果に対し議論が必要です。

これに関して2019年10月22日に、前川眞一理事(東京工業大学名誉教授より、CAMSの尺度構成、及びその妥当性についての論考が公表されました
CAMSの尺度構成について

この公表は当初の予定より遅れたそうです。
これには経緯があり、当初は、前川名誉教授が「監督」の予定であったのが、IQテストの開発・作成・分析をすることになったそう。
前川名誉教授は、ご多忙を極めている方なので、公表も遅れたようです。
(機構からも正式に公表されており、誠実な対応がされています)

この経緯については、手法などが公表される前、ブログ著者が幸田氏にインタビューしており、以下のような流れがありました。

(以下、公表前のインタビュー内容)
幸田氏は自身のツイッターで以下のように述べていました。

 

この「しっかりやる」とは具体的にどのようなことなのか、高域IQ検査の学術的背景について、幸田氏ご本人に問い合わせてみました。

幸田氏:「CAMSの学術的な分析につきましては、心理測定,テスト理論,尺度構成法,応用統計学,ベイズ統計学を研究分野とされております東京工業大学名誉教授の前川教授にお願いしております。とても偉い先生ですので、当初は、監修という立場でご協力いただくことを考えておりましたが、開発・作成段階から、分析まで全て前川教授ご本人に担当していただけることになりました。私自身結果がとても楽しみです。」

とご回答がありました。

テスト理論の権威である前川名誉教授が開発・作成・分析を行ったそうで、現代の科学において出来得る限りの正確さを目指したと考えられます。

現在の科学の限界というものもあります。
それはIQ検査に限らず、どの検査であっても誤差は生じます。

もし、最新の科学の正確性に疑念を抱くのであれば、より良い手法を研究し、発表されたらよいと思います。採用されるかもしれません。

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