ギフテッドの定義と特徴をご紹介します。
子供と大人、男性と女性で変わる部分もありますが、概ね共通した傾向があります。
ギフテッドの定義には曖昧性がある
ギフテッドは定義が曖昧で、決まっていないと言われています。
ただし、ギフテッドを支援する団体や学校は基準を設けています。
概ね「ある分野で標準と比べて極めて高い能力を示す人」をギフテッドと定義しますが、何を基準にして「ある分野で高い能力を示している」あるいは「ある分野で成功が期待できる」と見なすのか、各団体によって異なります。
ここで言う、「能力が高い」というのは先天的に備わっている才能を指します。俗に言う「地頭が良い人」「ポテンシャルが高い人」です。
ギフテッドの種類
「ギフテッド」という単語は比較的広い意味で使用されています。
2022年現在の一般論について解説していきます。
ギフテッドとタレンテッド
ギフテッドは学術的な才能、または特異な才能がある人全体、タレンテッドは芸術的な才能を持つ人を指します。
知能の水準が高いギフテッドを「知的ギフテッド」と言うことがあります。
英才型と2E(twice-exceptional)
ギフテッドには大きく分けて英才型と2E(twice-exceptional)があります。
- 全般的に高い知能を持つ、オールマイティーな「英才型」
- 特異な才能と苦手な分野(発達障害)、凸凹がある「2E(twice-exceptional)」
ギフテッドと発達障害(ADHD・ASD)の違い
ギフテッドと呼ばれる人は発達障害の人が多いため、発達障害とセットで語られることが多いですが、別物です。
発達障害だからギフテッドというわけでもなく、ギフテッドだから発達障害という話ではないです。
ただし、ギフテッドや高知能と呼ばれる人の間で語られる発達障害は従来の発達障害とは違う可能性があると思います。
ギフテッドとIQ
従来の研究や学校への入学基準として、IQ130(sd15)以上がギフテッドとされてきました。
アメリカでは、IQ130(sd15)以上、かつギフテッドの特徴を持つかどうかで判断する団体が多いようです。
ここで言う「IQ130(sd15)以上」のIQはWAISやWISC、行列推理を指す場合が多いようですが、こう言った検査で測れない能力が多いため、総合的に判断する必要があります。
ギフテッドの診断基準はない
よく、IQ130以上がギフテッドの診断基準であるとして紹介されていますが、医学的な診断基準はありません。
あくまでギフテッドに関する教育を受ける際に判断基準の1つとして使用されているだけです。
ギフテッドの特徴
ギフテッドの特徴はたくさんあります。
1人のギフテッドが全て当てはまるというわけではなく、ギフテッドと呼ばれる人には以下のような特徴の傾向があると言われています。
能力を隠す
自己防衛のために能力を隠すと言われています。

過度激動(OE)
ドンブロフスキは、ギフテッドは環境からの刺激に対する感受性や興奮性が高く、ギフテッドの刺激に対する反応を過度激動(OE)とし、5つの分野(精神運動性、知覚性、想像性、知性、感情性)に区分けしました。
どの分野のOEが強いかは個人差があるとされています。
特に子供では癇癪を起こす子もいるそうです。
記憶力が優れている
記憶力が優れ、学業成績が良いとされています。
美男美女が多い
美男美女が多い傾向があると言われています。
顔つきが中性的な人が多い
「ギフテッドは顔が中性的で肌がきれいですっきりとした顔立ち」と言われているようです。
顔つきが童顔
ギフテッドの顔つきは童顔という意見もあります。
子供っぽい
大人の特徴ですが、振る舞いが子供っぽいと言われています。
ユーモアがある
創造的なユーモアのセンスがあると言われています。
冗談を言うことが多いと思います。
リーダーシップがある
リーダーシップがあると言われています。
正義感がある
ギフテッドは正義感が強いです。
自分をよく見せるための嘘の正義感ではなく、公平性に興味があり、不正を嫌います。
モテる
モテる人が多いと思います。
人と違った考えを持ってるからですかね。
本質を見抜く
洞察力があり、少ない情報での理解、情報と情報の共通性を見出す能力が高いため、本質を見抜きやすいのだと思います。
繊細
過度激動(OE)にも関連しますが、繊細であると言われています。
感覚過敏
五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)が過敏である人が多いとされています。
思考が中性的
男性なら一般的に女性であると言われる思考(いわゆる女脳)、女性なら一般的に男性と言われる思考(いわゆる男脳)を持ち、思考が中性的である人が多く、普通の人より異性と話す機会が多いかと思います。
考えすぎる
頭の回転の良さもあると思いますが、常に考え事をしている、考えすぎな人が多いです。
疲れやすい
感覚過敏であることや、考え事のしすぎによって疲れやすいと言われています。
変わり者、変わった雰囲気
変わり者、変人が多いです。
しかし、天才に思われたくて変人のふりをしている自己愛性人格障害者、演技性人格障害者がいるので注意が必要です。
ギフテッドの特徴がなくてもギフテッドの可能性はある
ギフテッドには似た特徴があり、特徴や見分け方も確立されてきてはいますが、才能を潰してしまうことになるかもしれないため、一般的な特徴に当てはまらないからと言って安易に「ギフテッドではない」と断定するのは控えた方が良いと思います。
特異な才能ほど前例がない
サヴァン症候群のように、何かの能力が1つ飛び抜けて高い人もいますし、IQテストで測れる能力が絶対にIQ130(sd)である必要はありません。
何か突出した才能を持っていると得手不得手が凸凹であることが多いですし、発達障害を持っていることもあるため、たまたまIQテストで測れる能力が凹の部分である可能性もあります。
ゴッホの絵が死後に評価されたように、才能が天才的・変わった才能であるほど理解や評価するのが難しいです。
「認定を受けた人がギフテッドであって、認定されていない人はギフテッドではない」という意見を目にしますが、上記の理由から判断基準が曖昧ですので、あるギフテッドの教育プログラムとしての基準を満たさないからと言ってギフテッドではないとは言えないと思います。
その教育プログラムの指すギフテッドの意味・基準に当てはまらなかっただけです。その基準は誰かが考えたもの、つまり既に誰かが思いついた基準というだけです。
1つ当てはまらなかっただけで、もしかしたら別の基準に当てはまるかもしれません。
以上、ギフテッドについて解説しました。まだまだ定義が曖昧であり、それは納得いかない!と思う人もいるかもしれません。でも、それは納得いかない!って思うことが大切なんです。その「納得いかない」はどのようにしたら解決しますか?どんどん発言し、問題提起し、国民全員で考えていくことが大切です。このブログの解説がその導入になれば幸いです。